建設業許可業者が入札参加できるようになるまでに掛かる期間

2021年7月13日

「工事の入札をしたい!」と思い立ったらすぐに入札に参加できるのかというと、そんなに簡単ではありません。入札参加までには様々な申請、手続きが必要になり、手際よく進めていかないと1年以上経過してしまうこともございます。

そこで、入札参加までに必要な手続き等と入札参加可能になるまで概ねどれくらいの日数が掛かるのかをまとめました。東京都と東京電子自治体共同運営(都内の市区町村)への入札を前提としております。

入札参加資格申請の前に済ませておかなければならない手続き

入札参加資格申請の前に経営事項審査を受けてその結果通知を受領しておくことと、電子証明を用意する必要があります。また、経営事項審査の前には決算変更届の提出と経営状況分析申請をしなければなりません。

決算変更届の提出

決算変更届は建設業許可業者が毎年提出を義務付けられている届出ですのですでに提出を済ませているということもあるかもしれません。ただ、経営事項審査を受ける場合は経営事項審査用に決算変更届を作成しなければなりません。経営事項審査用の決算変更届には以下の特徴がございます。

  • 税抜きで作成する
  • 工事経歴書は元請7割、全体7割まで作成する(もしくは500万円未満工事が10件になるまで)

ここで作成した財務諸表や工事経歴書といった書類は経営事項審査で使うのでとても重要です。入札参加を見据えて戦略的に届出書類を作成する必要があります。

経営状況分析申請

経営事項審査の評価項目のうちの一つである経営状況(Y点)を算出するための申請です。決算変更届で作成した財務諸表がベースになります。CIICやワイズデータ公共サービスといった分析機関に申請をして分析通知を発行してもらいます。

経営事項審査申請

決算変更届が受付になったのちに予約をして受審します。繁忙期はなかなか予約が取れず、3週間程度待たなければならないこともあります。また、申請には経営状況分析通知をはじめ様々な書類が必要になります。必要な書類をすべて用意し、申請が受付になれば、概ね3週間程度で経審の結果通知が発行されます。

電子証明書の取得

東京都以外の自治体では電子証明は後から取得することも可能ですが、東京都と東京電子自治体共同運営では入札参加資格申請の段階で電子証明を持っている必要があります。

電子証明にはパソコンにインストールするタイプのものとカードタイプのものがございませす。カードタイプの方が使い勝手がよいと思いますが、お好きなタイプのものを購入するようにしてください。申請から受領まで2週間程度かかることがございます。また、受け取りは郵便局で本人が受け取らないといけないこともあり、思っているよりも時間がかかることがございます。

入札参加資格申請の前までに掛かる日数

上記の申請は同時に進行させることができるものもあるので、効率よく申請を進めましょう。各申請では概ね以下の日数が掛かります。

  1. 決算変更届の作成(書類作成期間として2週間程度)
  2. 経営状況分析申請(分析結果の発行まで申請から3日程度。決算変更届を出してから経審予約日までに申請して受領する)
  3. 経営事項審査申請(決算変更届提出後予約をして3週間後)
  4. 経営事項審査申請処理期間(受付になってから3週間程度)
  5. 電子証明書の申請(経審申請後、結果通知を待つ間に申請して受領する)

上記のプランで行くと決算変更届の作成から電子証明書の取得まで、8週間程度かかることになります。申請に手こずることもあるかもしれないので2ヵ月程度は見越しておきましょう。ここまで完了させてやっと入札参加資格申請が可能になります。

入札参加資格申請から入札可能になるまでの日数

東京都、東京電子自治体共同運営はそれぞれ申請の締め日があり、その締め日までに申請をすれば、翌1日から入札参加資格が可能になります。

東京都の入札参加資格申請の締め日

東京都は毎月20日が入札参加資格申請の締め日となっております。申請はすべて電子申請となっており、申請が完了して受付票が発行されれば入札参加資格申請は完了となります。翌1日から入札参加が可能になります。

東京電子自治体共運営の入札参加資格申請の締め日

東京電子自治体共同運営の締め日は毎月25日となっております。電子で申請をして、必要書類を指定の役所に送って、審査の承認が出ている必要があります。25日までに申請が承認されれば、翌1日から入札参加が可能になります。

ここがポイント!

  • 入札参加資格申請ができるようになるまで様々な申請がある
  • 様々な申請を終えるのに2ヵ月程度掛かる
  • 入札参加資格申請は20日、25日が締め日で翌1日から入札可能

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