1級資格者で監理技術者講習修了者は6点加算?
1級資格者で監理技術者講習を受講している職員がいると6点加算されます。しかし、これは経審の総合評定値P点が6点増えるという意味ではありません。「ん?どういうこと?」と思う人もいるかもしれませんね。
この説明をするためには、経審の総合評定値P点の計算方法のおさらいが必要になります。
経審では、X1、X2、Y、Z、Wという5つの項目を算出し、それぞれの数値をさらに調整して合算してP点を算出します。技術職員数が考慮される項目はZですが、1級資格者で監理技術者講習を受講している職員がいる場合、Z点を算出するための基礎となる数値(技術職員数値と言います)に6点加算されます。ここだけを切り取って6点加算されると言ってしまっている人がいるのです。
総合評定値に換算するには複雑な作業が必要
監理技術者などの技術者が増えた場合に、総合評定値P点に何点加算されるかを算出するには、技術職員数値をテーブルに当てはめ、点数(技術職員数値の評点を言います)を計算しなければなりません。
テーブルについては、ワイズ公共データから出ているPDFのリンクを貼っておきます。https://www.wise-pds.jp/news/2010/files/keishin201104z.pdf
上記のテーブルから点数を算出してもまだ終わりではありません。技術職員数が評価項目となるZ点を構成する要素としては、他に元請完成工事高もあります。「技術職員数値の評点」:「元請完成工事高の評点」の比率は8:2なので、技術職員数値の評点にはさらに0.8を掛けます。さらに、Z点の総合評定値P点にしめる割合は25%なので、0.25を掛けます。この結果が総合評定値P点に反映される点数となるのです。
ややこしいですね~。
技術者が増えると何点増えるの?
「つまり何点増えるんだ?」という声も聞こえてきそうですが、すでにお伝えした通り、相対的なものなのでなんとも回答ができません。実際に計算をしてみないと確かなことは言えないのです。頑張って計算してみるか、行政書士などの専門家にシュミレーションを依頼してみないと確かなことはわかりません。
参考までに、少し極端な話をすると、1級の技術者が全くいない中小企業の会社が1級資格者で監理技術者講習を受講している方を雇用すると、総合評定値P点で15点ほど加点になることがあります。しかし、技術職員を何人も抱えている規模の大きい会社が同様の人を雇用しても1点にもならないことがあります。
技術者の数が増えると、1人当たりの点数は減少するのです。そして、上限を超えると加点すらされなくなります。技術職員を何人も抱える企業に青天井で加算してしまったら、点数の差が開きすぎてしまうからです。
経審の専門家としては「一人雇ったら何点増えます!」と断言したいのですが、こうした理由でそれはできないのです。
細かな加点の努力をしていきましょう
総合評定値P点で何点になるかは計算してみないとわからないのですが、それでも細かな加点の努力はしていくべきです。
監理技術者証を持っている方には必ず講習を受講させましょう。講習の有効期限が審査基準日時点で切れてしまっていたりするケースがあるのですが、そういうのを見ると残念でなりません。なぜ、期限を切らさずに受講できなかったのかと。
また、一定以上の実務経験のある方や特定の資格を保有している方には基幹技能者講習を受講させましょう。Z点の技術職員数値で1~2点の加算(総合評定値P点で何点になるかは会社次第)となります。
こうしたちょっとした積み重ねで経審の点数は変わってきます。ぜひご検討下さい!
ここがポイント!
- 資格者の点数計算はテーブルに当てはめて算出する
- 会社に規模によって監理技術者1人で15点増えることもあれば1点も増えないこともある
- 資格取得を推奨したり基幹技能者登録を目指しましょう