生命保険に加入していると経審で加点されますか?

役員や従業員のために生命保険に加入しているという会社も多いと思います。会社に所属する人に対する福利厚生の充実という意味で経審の加点になると思っている人もいるようですが、実際はどうなのでしょうか?

生命保険に加入していること=加点とはならない

生命保険に加入しているということそのものが経審の加点とはなりません。民間の保険会社の保険商品で経審で加点の対象となっているのは生命保険ではなく労働保険の上乗せ保険です。

労働保険については政府管掌の労働保険がありますが、民間の保険会社にも労災保険があります。政府管掌の労働保険に加えて民間の労働保険に入ることができるのです。何かあった際により手厚い補償が受けられることになります。

そこで一定の条件を満たしている労災上乗せ保険に加入している企業については経審の加点対象となっております。

生命保険を活用して経審で加点できないのか?

生命保険に加入していることそのものが加点の対象とはなりませんが、別の項目で生命保険を活用して加点されているケースがあります。それは退職一時金の項目です。

経審では退職一時金の制度がある場合は加点の対象となります。この退職金の支払いについて生命保険を活用することが可能なのです。

経審で加点の対象となる退職金一時金制度

経審で加点の対象となる退職一時金には以下のものがあります。

  • 中小企業退職金共済制度・特定退職金共済団体制度
  • 自社退職金制度

上記のうちの自社退職金制度を生命保険で賄うことができるのです。

生命保険で退職金を賄うための条件

退職一時金制度で活用できる生命保険となるので、どんな生命保険でもいいというわけではありません。退職金の積み立てができるものでなければならないので養老保険の福利厚生プランなどが該当してきます。

養老保険の福利厚生プラン

養老保険の福利厚生プランは万が一の時と退職金の財源確保で使える保険になっております。損金として扱える範囲も広いようなので、退職一時金制度を導入して、経審で加点したいという業者さんにとっては使える生命保険となります。

退職一時金規定で規定する

生命保険で退職一時金を賄う場合は、退職金規定などでその旨を定めておく必要があります。経審の申請では退職金規定と保険証券などを提示して退職一時金規定を設けていることを証明します。

退職一時金規定は就業規則と一体となるものなので従業員が10名以上いる場合は、労働基準監督署に届け出ている必要があります。

役員だけでは当然ダメです

「役員については養老保険に加入しています」という会社さんもありますが、それだけではダメです。きちんと規定を作成して、従業員全員の福利厚生になっていなければ認められません。従業員にやさしい会社でなければ加点されないのです。

生命保険に加入していると経審で加点されますか?のまとめ

ここがポイント!

  •  退職一時金制度の導入で生命保険を活用できることがある
  • 養老保険は万が一の時と退職金の財源として活用できる
  • 役員だけではダメ。従業員全体の福利のために退職金制度を設ける

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